巡潜乙型 伊ー19
個人的キット評 付属品
組易さ
総合
★★★★
★★★★★
装飾台
水偵1機
P.E

AFVCLUB 1/350 SE73506「伊-19」

伊15型(通称:巡潜乙型)と呼ばれ「伊号潜水艦」と言えば大部分の人がこの型を想像するであろう主力艦で、潜水艦の甲板から航空機を射出するスタイルは世界で唯一、日本海軍だけの仕様であり「巡潜甲型」「巡潜乙型」「潜特型(伊400型)」の標準兵装となっています。
また、1942年9月には伊25から発進した零式小型水偵が歴史上唯一のアメリカ本土爆撃を2回成功させています。
(と言っても山火事を起こすのが目的で森林に焼夷弾を投下、しかし天候の影響で大した効果はなかったようです)

本艦は伊15型潜水艦の3番艦で、米空母ワスプに魚雷3本を命中させ、戦艦ノースカロライナと駆逐艦オブライエンにも1本ずつ魚雷を命中させた(と言うより偶然当たった)ことで超有名な殊勲艦。他にも商船、タンカーなど撃沈3、撃破3(撃沈2、撃破4の記述もアリ)の戦績を残して、1943年11月に米駆逐艦の爆雷攻撃により戦没したとされ、1944年4月に戦没認定で除籍されています。


<キット内容> 
総じてよく出来たキットで、適度なパーツ分割と繊細なモールドは好印象。
見せ場の「零式小型水偵」も、よく特徴をを捉えたプロポーションでフロートの支柱はエッチング選択式なので、苦手な人はプラパーツのまま手軽に完成させられます。ただしクレーンはエッチングのみの仕様で、今作では再現していませんが後部甲板の作業用小型クレーンもパーツ化されています。

今作の塗装ですが、艦橋上部を黒に塗り分けた時の写真があったのでそれを参考にし、同写真では甲板も黒に塗られているように見えたので、まずラッカーのタンで下地塗装してからエナメルの黒や茶など数色で上塗りしています。
甲板前後にある白いライン(対空識別)は、位置や形状など、当時の一般的なものを参考にしただけで確証はありません。


<追加工作>
★艦橋の九六式連装機銃をハセガワのパーツに交換。
★水偵の日の丸デカールはタミヤ「伊400」から流用。
★艦橋の窓部分を刳り貫き。
★空中線を伸ばしランナーで追加。 
★海軍旗はタミヤ「伊400」に付属ののシートから流用。


<簡易データ>
竣工時期:1941年4月 
竣工総数:29隻(うち改1が6隻、改2が3隻)
最高速度:水上:23.6ノット 水中:8ノット 
航続距離:水上:16ノットで25,928km 水中:3ノットで177km
乗員:94名  
武装:40口径14cm単装砲1門、 九六式25mm連装機銃1基、 53cm魚雷発射管6門(搭載数17本)
搭載機:零式小型水上偵察機1機


<参考資料>
学研:歴史群像シリーズ 「日本の潜水艦」「伊号潜水艦」
光人社:日本海軍艦艇写真集19「潜水艦伊号」
モデルアート:艦船模型スペシャルNO.34