巡潜乙型改2 伊ー58
個人的キット評 付属品
完成度
組易さ
総合
85点
90点
95点
装飾台
回天
P.E

AFVCLUB 1/350 SE73508 「伊-58 後期仕様」

原爆を運んで帰路に着いた米重巡「インディアナポリス」を撃沈したことで有名な「乙型最後」の潜水艦。
建造当初から「回天」を搭載する事を前提としており、竣工時はそれまでの乙型同様、甲板前部に水偵用格納庫とカタパルトを装備し
後部に回天搭載用の台座を設けていましたが、のちに航空艤装を撤去して甲板前部にも回天を搭載出来るよう改装されています。
戦績は米駆逐艦「ローリー」撃破と先述の重巡「インディアナポリス」撃沈で、戦後米軍の手により爆破処分されています。


<キット内容> 
回天の固定ベルト部分と22号電探パーツを除けば、ほぼタミヤに匹敵するであろう良キットです。
船体のモールドも薄過ぎずクド過ぎずといった感じで、本物がどうかは分かりませんが個人的には好印象。
上下分割の船体は精度は高く、ゆっくりと後端から順に接着していけば段差は殆ど出来ません。
手摺りなど適材適所のエッチングパーツも扱いやすく、難しい加工は要りませんでした。
難しい所といえばパーツの構造上、横舵の取り付けが非常に貧弱で、インストでは最初の方に取り付け順が来ていますが、
先に付けてしまうと破損の確率が高くなるので、横舵は一番最後に取り付けることをオススメします。
塗装については今作では黒っぽくしてますが、手持ちの数少ない写真では改装前の船体上部は黒っぽい色で塗られ、
改装後は軍艦色で塗り直された(または退色した)ようで、防探塗料なども使用された時期なので、
もっと白っぽいセメントのような色も部分的にあったかも知れません。

<追加工作>
★22号電探をプラ材で自作。
★回天の土台をそれらしく加工。 回天のスクリューを一旦切り落として羽がランダムに見えるよう加工。
★艦橋の窓部分を刳り貫き。
★錨に溶接痕?を伸ばしランナーで追加。 
★乙型改から左舷アンカーを廃止しているようなので、左舷アンカーセレスをパテで埋め、蓋をした状態を再現。(確証なし)
★船体中央左舷甲板に空中線と支柱を伸ばしランナーで追加。これは箱絵と丙型の写真を参考にしています。


<簡易データ>
竣工時期: 1944年9月 
竣工総数: 29隻 (うち乙型改2は3隻「伊54 伊56 伊58」)
最高速度: 水上:17.7ノット 水中:6.5ノット 
航続距離: 水上:16ノットで38,850km 水中:3ノットで194km
乗員: 94名  
武装: 九六式25mm連装機銃1基、 九五式53cm魚雷発射管6門(搭載数19本)


<参考資料>
学研:歴史群像シリーズ 「日本の潜水艦」「伊号潜水艦」
光人社:日本海軍艦艇写真集19「潜水艦伊号」
モデルアート:艦船模型スペシャルNO.34