二等輸送艦(SBT)
個人的キット評 付属品
完成度
組易さ
総合
40点
65点
45点
装飾台
戦車等
乗員

ピットロード WB-07 1/350 「二等輸送艦103号型」

港湾施設の貧弱な前線に車両や物資を一気に運び込む手段を模索する中、連合軍の揚陸艦を元に開発された本艦ですが、
元を辿ると何と日本の「大発」が起源だそうで、そもそも「大発」の有用性を見た連合軍がそれを参考に揚陸艦を開発、
その揚陸艦の情報を戦場や諜報で得たドイツが日本に伝え、それを参考に造られたのがこの「二等輸送艦」という冗談みたいな経緯。

艦型は大きく分けて極初期のSBDとこのSBTがあり、前者はディーゼル機関3基の3軸仕様で、本来搭載予定だったタービン機関が
間に合わなかった為の急造仕様、最初の6隻だけがディーゼル(SBD)仕様で、その後はタービン仕様に切り替わりますが、
大戦末期には燃料の枯渇から石炭仕様に改造された艦もあるそうです。


<キット内容> 
ザックリ言えば、1/700艦船キットをそのまんま引き延ばしたような印象。
各パーツやモールドは省略と言うより想像に近い脚色ぶりで、資料の有る無しに関わらずソコが一番の難題。
同梱の陸上車両も、金型的にややこしい形状でもないのに妙なオリジナルテイストが不要な味を利かせています。
箱の裏側にはそこそこ信頼出来る参考図がありますが、キットと見比べると嫌がらせに近い別物。
救世主となるはずの専用エッチングセットが殆ど役に立たない内容だったり、全体的に試練としか思えない内容でした。
「艦船模型とはこういうものだ!」とお叱りを受けるかも知れませんが、素直に酷いキットだと思っていますw

<使用パーツ>
ピットロード「PE199二等輸送艦用エッチングパーツ」(旗竿と艦橋窓のみ使用)
ハセガワ「QG18艦船装備セットA」(機銃一式)、「QG35艦船汎用エッチングパーツ」(水密扉、ジャッキステー、絡車、etc・・・)
KAモデル「MS35002手摺りセット」
アオシマ「丁型潜水艦用エッチング」(E27逆探のみ使用)
ファインモールド「AE-10滑り止めパターン」
タミヤ「78026日本艦艦載艇セット」(9mカッター)

<追加工作> 制作記録
★艦橋トップ、対空機銃のブルワークをプラペーパーで作り替え。
★対空機銃の銃弾箱を全てプラ板で作り替え。
★舷燈、点滅燈、マスト、機関室吸気路、8センチ高角砲、爆雷、後部アンカー巻上げ機、補強板を自作。
★ボラード、機銃取り付け台、ボートダビットの取り付け位置変更。
★アンカーチェーン、絡車、ワイヤーなど一式作り替え。
★戦車の砲塔、車体を小改造。主砲、機銃を真鍮線で作り替え。
★木甲板部分の板の継ぎ目を全て凹モールドに掘り直し。
★艦尾、後部アンカーの格納部分を開口して再現。
★イカ娘を針金とエポパテで自作。
その他細々・・・

<簡易データ>
建造時期: 1943年9月〜
竣工総数: 69隻 (うち101号型SBDが6隻)
最大速度: 16ノット
最大積載: 220トン
乗員: 100名
武装(各艦で差異アリ): 九六式25mm単装機銃11基、同連装機銃2基、同三連装機銃2基、8センチ高角砲1門、爆雷投下台6基


<参考資料>
イカロス出版:末期の水物兵器集
大日本絵画:アナタノ知ラナイ兵器2
光人社:日本の軍艦 艦艇図面集1

<資料協力>
ス様